アカデミー賞とは?各部門や歴代の受賞作品を徹底解説!ノミネートの意味も紹介

アカデミー賞とは?各部門や歴代の受賞作品を徹底解説!ノミネートの意味も紹介 映画

「アカデミー賞ってよく耳にするけど、具体的にどんな賞なの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

改めて聞かれると困るけど…とにかく「すごい」ことだけは知っている!

結論、アカデミー賞とは映画芸術科学アカデミー(AMPAS)による映画賞のことです。

アカデミー賞の概要や受賞部門について理解を深めておけば、さらに映画ライフが充実すること間違いなし。

そこで今回は、アカデミー賞の定義や各部門について徹底解説します。

歴代の受賞作品やノミネートの意味も紹介するので、参考にしてください。

アカデミー賞とは?

アカデミー賞とは?

アカデミー賞とは、アメリカなどの映画関係者で結成された団体・映画芸術科学アカデミー(AMPAS)による映画賞です。

映画芸術科学アカデミーは、映画産業の芸術と科学の発展を促進するための団体を指します。

授賞式の前年にアメリカの特定地域で公開した作品を対象に選考が行われ、受賞者にはオスカー像が贈られることでも有名です。

アカデミー賞のスタートは1929年であり、カンヌ・ヴェネツィア・ベルリンの世界三大映画祭よりも古く、業績や市場への影響も大きいとされています。

また、直接関係はないものの「ゴールデングローブ賞」で受賞作品がアカデミー賞でも受賞するケースが多いのもポイントです。

日本人では、黒澤明や宮崎駿などの作品が受賞した経験があり、近年では濱口竜介の「ドライブ・マイ・カー」が受賞・ノミネートされました。

▼オスカーやカンヌ国際映画祭についてまとめた記事は、こちら。

ノミネートと受賞の違い

「ノミネート」は受賞候補に挙がることで、「受賞」はノミネート作品から選ばれた最優秀賞を受けることです。

「アカデミー賞◯◯◯賞ノミネート作品」「アカデミー賞3部門ノミネート!」などの文字を映画のポスターやチラシでよく見かけますが、あくまで候補作品

例えば、第96回アカデミー賞(2024年)の作品賞は、以下の10作品がノミネートされました。

  • オッペンハイマー
  • アメリカン・フィクション
  • 落下の解剖学
  • バービー
  • ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
  • キラー・オブ・ザ・フラワームーン
  • マエストロ: その音楽と愛と
  • パスト ライブス/再会
  • 哀れなるものたち
  • 関心領域

10作品のノミネートがあったものの、受賞作品は「オッペンハイマー」の1作品です。

日本では未公開だったのに、なぜだろう「オッペンハイマーだろうな…」と思っていた感じ。

アカデミー賞の各部門について

アカデミー賞の部門について

アカデミー賞の部門は、大まかに分けると以下の2種類です。

アカデミー賞の部門
  • 主要6部門
  • その他

それぞれについて、解説していきます。

主要6部門

主要6部門は、以下の通りです。いずれの賞もその年のアメリカで上映された作品の中から選出されます。

名称特徴
作品賞最も優れた作品に与えられる賞で、最重要部門
監督賞最も優れた映画監督に与えられる
主演男優賞最も優れた主演男優に与えられる
主演女優賞最も優れた主演女優に与えられる
助演男優賞主演以外の、最も優れた助演男優に与えられる
助演女優賞主演以外の、最も優れた助演女優に与えられる

「作品賞」はもちろん、「主要6部門」という言葉に馴染みのある方も多いでしょう。

また、作品賞を受賞した映画作品の監督が監督賞を受賞するケースも珍しくなく、ある作品の監督・キャスト・スタッフが賞を独占する場合もあります。

第95回アカデミー賞(2023年)では、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が主要6部門のうち作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞の5つを受賞。

さらに、脚本賞・編集賞を加えた計7冠を獲得したことでも話題を集めました。

▼アカデミー賞とも縁の深い「ゴールデングローブ賞」についてまとめた記事は、こちら。

その他

主要6部門を除くその他の部門は、以下の通りです。

  • 脚本賞
  • 脚色賞
  • 視覚効果賞
  • 美術賞
  • 撮影賞
  • 衣装デザイン賞
  • 長編ドキュメンタリー賞
  • 短編ドキュメンタリー賞
  • 編集賞
  • 国際長編映画賞
  • 音響賞
  • メイクアップ&ヘアスタイリング賞
  • 作曲賞
  • 長編アニメーション賞
  • 短編アニメーション賞
  • 主題歌賞
  • 短編実写映画賞

また、アカデミー特別業績賞などの特別賞は毎年選出される訳ではありません。

日本人では、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞、坂本龍一が「ラストエンペラー」で作曲賞を受賞しています。

日本人が受賞しないと国内では主要6部門以外はあまり話題にならないですが、毎年チェックしておきたいポイントです。

アカデミー賞の歴代受賞作品

アカデミー賞の歴代受賞作品

アカデミー賞の作品賞を受賞した歴代作品について、以下の期間の作品を振り返っていきましょう。

アカデミー賞の作品賞を受賞した歴代作品
  • 2001〜2024年
  • 1980〜2000年

「面白い作品が見つからない」「評価の高い作品を見てみたい」といった場合にも、紹介する作品リストを参考にしてみてください。

▼古い名作映画についてまとめた記事は、こちら。

2001〜2024年

2001〜2024年のアカデミー賞作品賞を受賞した作品は、以下の通りです。

作品名監督
2024オッペンハイマークリストファー・ノーラン
2023エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスダン・クワン
ダニエル・シャイナート
2022コーダ あいのうたシアン・ヘダー
2021ノマドランドクロエ・ジャオ
2020パラサイト 半地下の家族ポン・ジュノ
2019グリーンブックピーター・ファレリー
2018シェイプ・オブ・ウォーターギレルモ・デル・トロ
2017ムーンライトバリー・ジェンキンス
2016スポットライト 世紀のスクープトーマス・マッカーシー
2015バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
2014それでも夜は明けるスティーヴ・マックイーン
2013アルゴベン・アフレック
2012アーティストミシェル・アザナヴィシウス
2011英国王のスピーチトム・フーパー
2010ハート・ロッカーキャスリン・ビグロー
2009スラムドッグ$ミリオネアダニー・ボイル
2008ノーカントリーイーサン・コーエン、
ジョエル・コーエン
2007ディパーテッドマーティン・スコセッシ
2006クラッシュポール・ハギス
2005ミリオンダラー・ベイビークリントイーストウッド
2004ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還ピーター・ジャクソン
2003シカゴロブ・マーシャル
2002ビューティフル・マインドロン・ハワード
2001グラディエーターリドリー・スコット

思い出に残る作品は人それぞれ。個人的には2002年の「ビューティフル・マインド」でしょうか。

1980〜2000年

1980〜2000年のアカデミー賞作品賞を受賞した作品は、以下の通りです。

作品名監督
2000アメリカン・ビューティーサム・メンデス
1999恋におちたシェイクスピアジョン・マッデン
1998タイタニックジェームズ・キャメロン
1997イングリッシュ・ペイシェントアンソニー・ミンゲラ
1996ブレイブハートメル・ギブソン
1995フォレスト・ガンプ/一期一会ロバート・ゼメキス
1994シンドラーのリストスティーヴン・スピルバーグ
1993許されざる者クリントイーストウッド
1992羊たちの沈黙ジョナサン・デミ
1991ダンス・ウィズ・ウルブズケビン・コスナー
1990ドライビング Miss デイジーブルース・ベレスフォード
1989レインマンバリー・レヴィンソン
1988ラストエンペラーベルナルド・ベルトルッチ
1987プラトーンオリバー・ストーン
1986愛と哀しみの果てシドニー・ポラック
1985アマデウスミロス・フォアマン
1984愛と追憶の日々ジェームズ・L・ブルックス
1983ガンジーリチャード・アッテンボロー
1982炎のランナーヒュー・ハドソン
1981普通の人々ロバート・レッドフォード
1980クレイマー、クレイマーロバート・ベントン

ロマンス・コメディから、スリラー・サスペンスまで、作品ラインナップも監督もさまざま。

「見るべき映画が分からない」という方でも、アカデミー賞の受賞作品を制覇していけば、充実した時間を過ごせるでしょう。

「羊たちの沈黙」を何度繰り返して見たことか…!

▼映画祭一覧やスケジュールについてまとめた記事は、こちら。

アカデミー賞のノミネート基準

アカデミー賞のノミネート基準

アカデミー賞のノミネート基準は、以下の通りです。

アカデミー賞のノミネート基準
  1. ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上、最低1日に3回以上上映している
  2. 有料で公開している
  3. 40分以上の長さの作品である
  4. 劇場公開以前にテレビ・ネット・ビデオなどで公開されていない
  5. 前年の1年間に1〜4の条件を満たしている

ただし、2025年からは「全米のトップ50都市のうち、10都市において14日以上上映されたもの」と条件を変更すると発表されています。

さらに、出演者と製作陣に多様性を考慮して人材を起用することも作品賞のノミネート条件として追加されました。

条件を満たさなければ選ばれないため、2025年以降のノミネート作品に影響があると考えられるでしょう。

また、作品だけではなく、アカデミー会員も多様化が図られており、2020年には女性会員が約2倍に増えています。

参考元:BBC|米アカデミー賞、作品賞に「多様性」の条件設置へ
Elle|アカデミー賞、「作品賞」ノミネートに関するルールを変更

まとめ

アカデミー賞とはまとめ

アカデミー賞とは、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)による映画賞のことで、前年にアメリカの特定地域で公開した作品を対象に選考が実施されます。

ノミネートは「候補に挙がる」ことであり、受賞とは意味が異なるので注意が必要です。

アカデミー賞には作品賞などの主要6部門に加えて、脚本賞や作曲賞などさまざまな賞が用意されています。

ノミネート基準は社会情勢などを踏まえて変更されるため、ニュースなどでチェックしておきましょう。

今回の記事を、映画ライフを楽しむ参考にしてください。

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