「文庫本の紐状のしおりに名前ってあるの?」「文庫本の紐の名前を知りたい」と考える方も多いでしょう。
読み終わった後、最後のページにあのしおりを挟む達成感も堪らない。
結論、文庫本の紐の名前は「スピン」で、「しおり紐」や「リボン」と呼ばれる場合もあります。
読書好きなら、文庫本についても詳しく知っておきたいもの。
そこで今回は、文庫本の紐の名前や採用している文庫レーベルを解説します。
自作スピンのつけ方やしおり付きブックカバーも紹介するので、参考にしてください。
文庫本の紐の名前は?
文庫本の紐の名前は「スピン」で、「しおり紐」や「リボン」と呼ぶケースもあります。
本の紐を「スピン」と呼ぶのは日本のみで、製本における専門用語です。
スピンの取り付け方には、以下の2種類があります。
英語では「ブックマーク(bookmark)」「ブックマーカー(bookmarker)」と呼ぶのが一般的です。
紐は文庫本に接着していることから、しおりを落とす心配がなく、しおりを持っていない場合でも気軽に読めるのがメリット。
新刊の本にはさまったぺしゃんこのスピンを見ると「物語が始まるぜ!」と思うのは私だけではないはず。
文庫本にスピンを採用しているレーベル
文庫本にスピンを採用しているレーベルは、現在新潮文庫のみです。
1927年に創刊した岩波文庫がスピン付きの文庫本を販売してからさまざまなレーベルが採用してきたものの、現在では新潮文庫しか残っていません。
過去にスピンを採用していた文庫レーベルは、以下の通りです。
文庫レーベルが休刊になっているケースもありますが、スピンのコストは1冊10円程度とされており、費用を抑えるために廃止する傾向にあります。
また、新潮文庫はスピンを採用していることから、文庫本の上部分がガタガタしている「天アンカット」になっているのも特徴です。
▼文庫本の天アンカットについてまとめた記事は、こちら。
新潮文庫はスピンを廃止した?
新潮社の文庫レーベルである「新潮文庫nex」はスピンが付属していません。
新潮文庫にはスピンが付属しており、「新潮文庫」と「新潮文庫nex」は異なるので、注意しましょう。
新潮文庫nexは「キャラクター」「物語」「文学」の融合を目指しており、新潮文庫が創刊100年を迎えた2014年に誕生しています。
古典なども多くラインナップする新潮文庫とは異なり、キャッチー&カジュアルで取っ付きやすく、9周年には「ずっと!!推せる新潮文庫nex」フェアなども開催。
現実世界から異世界まで、幅広いジャンルを取り扱っているのも魅力です。
新潮社は「新潮文庫のみ」のイメージが強く、初めて見たときの驚きと言ったら。
▼文庫本についてまとめた他の記事は、こちら。
自作スピンのつけ方
自作スピンのつけ方は、以下の通りです。
「文庫本にスピンを取り付けたい」「本に自分の好みのスピンを付けてみたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
必要なアイテムを揃える
文庫本にスピンを取り付けるのに必要なアイテムは、以下の通りです。
スピンを接着剤で取り付けると、安定感はあります。
しかし、スピンを取り付けたままだと売却できない可能性が高く、また剥がす際にボロボロになってやはり売れないことが想定されます。
売却予定のある方は、きれいに剥がせる系のラベル・テープを利用しましょう。
また、コストをかけたくない場合には、100均一の手芸コーナーやラッピングコーナーに売っている薄手の紐でも十分です。
今回は、細い紙紐を使用していますが、厚手の紐は本に挟むと、紙に癖が付いて曲がる可能性があるので注意してください。
スムーズに使いたい方は柔らかく薄い紐をチョイスしましょう。
▼売却を含めて文庫本の処分方法についてまとめた記事は、こちら。
スピンにする紐を本のサイズに合わせて切る
スピンとして利用する紐を、本の対角線+5cmもしくは文庫本なら背表紙から20cm紐が出る長さで切ってください。
上記のように、所有している本で1番厚い本と薄い本を比較したところ、文庫本の厚さが違ってもスピンの長さは同じでした。
文庫本であれば基本的に背表紙から紐が20cm出ていれば、ストレスなく本が読めるでしょう。
背表紙部分に紐を取り付ける
本に挟んだ場合にどの程度はみ出るか確認しながら、スピンを取り付けましょう。
文庫本の場合は、背表紙から20cm程度出ていればOKです。
紐を背表紙の中心に置いて、周囲にラベルを巻くだけで比較的安定して固定できます。
また、紐が抜けてしまっても、ラベルを巻き直したり、紐を交換したりしてすぐに修復することが可能です。
ちなみに、「マスキングテープならいけるのでは…?」と1日実験した結果は惨敗でした。
マスキングテープを利用したい場合には「きれいに剥がせる」などの表示があるタイプを利用すると失敗しにくいでしょう。
ただし、背表紙の素材・劣化具合によってラベル・テープを剥がす際に傷む可能性があるため、注意してください。
また、スピンを付けっぱなしにしていると、背表紙とラベル・テープが密着する場合があるので、読み終わったら速やかに剥がすのがおすすめです。
自作スピンを1ヶ月後に取り外した結果
どこでもラベルを貼ってから約1ヶ月後、本の表紙を傷めずにスピンを取り外せました。
ただし、手荒に剥がすと本を傷める可能性があるので、ゆっくり丁寧に行ってください。
1ヶ月以内に読み切れるページ数であれば、問題ないといえるでしょう。
「絶対に本を傷つけたくない!」という場合には、無理してスピンは取り付けずに紙製のしおりなどを使うのが無難です。
おすすめのしおり付きブックカバー
しおり付きブックカバーを購入しておけば、文庫本のスピンの有無に関わらず快適に読書ができます。
おすすめのしおり付きブックカバーを3つ紹介するので、参考にしてください。
ツタハナ柄ブックカバー
サイズ | 約11.5×16cm(二つ折り時) ※文庫判サイズ(A6サイズ) |
素材 | 綿100% |
柔らかい綿生地を採用しており、フィット感に優れたブックカバーです。レトロなツタハナ柄で、つい持ち歩きたくなるおしゃれなデザインが魅力。
スピンが付いているのはもちろん、文庫本の厚みに合わせて長さが調節できるのも嬉しいポイントです。
猫刺繍ブックカバー
サイズ | 文庫判 |
素材 | 綿紬 |
読書をする猫が可愛いブックカバーで、麻の入った綿素材を採用しています。
スピンの先にはちりめん素材の手作りの本がついており、個性を出しやすいのも特徴です。
夏目漱石のカバーとして持ち歩きたい。
BLUE SINCERE レザー文庫カバー
サイズ | 16.4×24.4cm |
素材 | レザー |
「ブランドの発展とともに、バングラデシュの社会問題を解決する」をテーマにするBLUE SINCERE(ブルーシンシア)のブックカバー。
「シンプルなブックカバーが欲しい」「お買い物で社会貢献したい」という方にもおすすめです。
スピンも上品なテイストなので、休日のカフェから通勤・通学までシチュエーションを問わず幅広く利用できるでしょう。
まとめ
文庫本の紐の名前は「スピン」で、「しおり紐」や「リボン」と呼ばれる場合もあります。
「スピン」の呼び名は日本のみで、英語では「ブックマーカー」や「ブックマーク」が一般的です。
現在、文庫本にスピンを採用しているレーベルは、新潮文庫のみ。過去には、岩波文庫や星海社文庫などもスピンが付いていました。
自作でスピンを取り付けることも可能なので、100均一などでアイテムを揃えましょう。
今回の記事を、読書ライフを楽しむ参考にしてください。
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