古本を通販などで購入する際に、「ヤケとは?…スレ・ヨレ?」と疑問を感じる方も多いでしょう。

なんとなく、なんとなくは分かる!
結論、古本のヤケ(焼け)は色褪せや変色、スレは細かな傷、ヨレは変形している状態を表す用語です。
せっかく古本を購入するなら、なるべくきれいな状態で購入したいもの。
そこで今回は、ヤケ(焼け)・スレ・ヨレの古本の状態用語を解説します。古本のヤケ(焼け)を直す方法や予防対策も紹介するので、参考にしてください。
- 古本のヤケ(焼け)は色褪せや変色、スレは細かな傷・印刷のすり減り、ヨレは反っているなど変形している状態を表す用語です。
- 古本のヤケ(焼け)を直す方法として、「紙やすりを使用する」「漂白剤を使用する」を紹介します。
- 古本のヤケ(焼け)を予防する方法やよくある質問を解説します。
古本のヤケ(焼け)・スレ・ヨレとは?状態用語を解説

ここでは、古本の以下の状態用語を解説します。
- ヤケ(焼け)
- スレ
- ヨレ
実際の古本の写真を交えながら紹介するので、参考にしてください。
ヤケ(焼け)

古本の「ヤケ(焼け)」とは、本が色褪せている、もしくは茶色や黄色に変色している状態のことです。
本が色褪せや変色は光に含まれる紫外線が原因で、太陽光はもちろん蛍光灯の光でも劣化が発生します。
また、本の黄ばみの原因は、空気に触れるために起こる「酸化」です。

図書室の本でよく見かけた背表紙だけ色が抜けているアレ!紫外線による色褪せだったのか。
古本のヤケ(焼け)は多少であれば読むのに支障はありませんが、茶色に変色していると文字と紙とのコントラストが落ちて、文字が読みづらくなるので注意しましょう。
新品の本を思い浮かべていただくと分かりやすいですが、新品の「クリーム色の紙+黒字」よりも古本の「茶色の紙+黒字」は文字が読みにくく、ひどく変色している場合には避けるのが無難です。
スレ

古本の「スレ」とは、本に細かな傷がついていたり、こすれて印刷がすり減っていたりする状態を指します。
たとえば、古本の通販では「背表紙の部分に強いスレがあります」などと記載されるケースがあります。
基本的には読むのに支障はないものの、表紙デザインを重視する方やきれいな状態で手に入れたい方は注意が必要です。

個人的には読めればいい派なので、多少のスレであれば気にせずに購入します。
ヨレ
古本の「ヨレ」とは、本が不自然に波打っている・反っているなど変形している状態のことで、「捲(めく)れ」と記載される場合もあります。
表紙やカバーのみがめくれている古本もあれば、全体が反っている古本もあり、状態はケースバイケースです。
なお、本のヨレの具合にもよりますが、完全に元の状態に戻すのは難しいため、購入時には状態を見極めることが重要になります。

Amazonのマケプレで「可」の状態の古本をよく買いますが、全体が波打ってるようなレベルには出会ったことがない…!
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古本のヤケ(焼け)を直す方法【実際にやってみた】

古本のヤケ(焼け)を直す方法は、以下のとおりです。
- 紙やすりを使用する
- 漂白剤を使用する
Let’s実践!
紙やすりを使用する
紙やすりを使用して古本のヤケ(焼け)を直す方法は、以下のとおりです。
- 紙やすりを四角状のアイテムに巻きつける
- 日焼けしている部分を紙やすりで削る
- 削った粉を掃除する
紙やすりは400番以上の細目タイプを使用するのがおすすめです(今回は100円均一で購入)。

紙やすりを巻きつけるのは「ボールペンでいいかな〜」なんて甘いことを考えていましたが、紙やすりが曲がりにくいので、四角状のアイテムでないと上手く巻きつけられません。
今回はパンのクリップとして使ってる四角柱の形状のアイテムに巻きつけました。紙やすりを当てるのはこちらの日焼けした文庫本。

さて、天部分に紙やすりを削っていきます。ちょっと嫌な予感もする…そう紙やすりで削ったら…

何回か繰り返し紙やすりを当てると、徐々にきれいになっていきます。


想像以上にきれいになって、かなり驚きました。が…
紙やすりで削ると、天アンカットの雰囲気が大幅に減!
ご存知でしょうか、文庫本の上がガタガタしているのは製本上のミスではなく「天アンカット」と呼ばれるもの。天アンカットについては、こちらの記事で解説しています。
【関連記事】文庫本の上がガタガタしているのはなぜ?天アンカットを採用している理由や魅力を徹底解説!

じゃあ漂白剤で削らずにきれいにすればいい?そんな簡単なものではなかったのです…!
漂白剤を使用する
漂白剤を使用して古本のヤケ(焼け)を直す方法は、以下のとおりです。
- 漂白剤をタオルに染み込ませて日焼け部分に当て、数分置く
- 水を染み込ませたタオルで漂白剤を拭き取る
- 乾いたタオルで水分を拭き取る
さて、いざ実践です。

漂白剤を何回か押し当てて数分待ち、水を染み込ませたタオルで拭いて手っ取り早くドライヤーをかけ、ぐにゃるのが気になるのでH2全巻で30分ほど押さえました。

漂白後はこちら(下の文庫本)。紙やすりをかけた本(上の文庫)よりは暗いものの、だいぶ明るくなった印象です。

また、漂白剤の場合はムラなく仕上げるのが難しく、本の変形のリスクがあるのは否めません。

やはり1番は日焼けせずに保存することだと痛感した瞬間でした。
古本のヤケ(焼け)を予防する方法

古本のヤケ(焼け)を予防する方法は、以下のとおりです。
- ブックカバーをつけて保管して、背表紙の日焼けやスレを防ぐ
- 直射日光が当たるような場所に本棚を置かない
- 窓に紫外線フィルムを貼るなど、室内に入り込む紫外線を軽減する
なお、暗所や風通しの悪い場所に保管する際にはカビの発生に注意しましょう。
湿度が高い場所では本にカビが発生するリスクがあり、適切場所を選定することが大切です。
【関連記事】ブックカバーの紙はどこで買う?売っている場所や選ぶ際のポイント、折り方も紹介
古本のヤケ(焼け)に関するQ&A

最後に、古本のヤケ(焼け)に関するよくある質問を解説するので、疑問を解消しましょう。
古本の状態を表す表現は?
古本の状態を表す表現は、以下のとおりです。
- ヤケ(焼け):色褪せ・茶色などへの変色
- スレ:細かな傷・印刷のすり減り
- ヨレ:反っているなど変形している状態
- シミ:湿気や液体によるシミ・斑点の汚れ
- 割れ:のど部分(綴じ目)に隙間ができている状態
これから通販で本を購入するという方は、ヤケ(焼け)やシミなど記載されている内容からどのような状態かイメージしましょう。
古本の汚れはどうやって取る?
古本の汚れを取る方法は、以下のとおりです。
- 表紙の場合:ウェットティッシュ・消しゴムなど
- ページの油シミ:漂白剤・除光液など
- 小口のヤケ(焼け):やすり・漂白剤など
ただし、漂白剤などの液体で汚れを取ると、本が変形するケースがあるため、注意しましょう。
古本にやすりをかけるなら何番がいい?
古本にやすりをかける場合は、150~400番→800~1200番でかけるのがおすすめです。
やすりは数字が大きくなるほど粒度が細かくなり、最後に目が細かいやすりをかけるときれいに仕上げられます。
まとめ

古本の「ヤケ(焼け)」とは本が色褪せていたり、茶色や黄色に変色したりしている状態を指します。古本のヤケ(焼け)を直す方法は、以下のとおりです。
- 紙やすりを使用する
- 漂白剤を使用する
古本はなるべく直射日光の当たらない場所に保管し、日焼けを予防しましょう。
今回の記事を、読書ライフを楽しむ参考にしてください。
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