古い名作映画を探している際に、「結局どれを見るべきか分からない」とお悩みの方も多いでしょう。

古い映画はたくさんありすぎて、見るべき作品は判断できない…!
結論、古い映画にはさまざまな作品がありますが、映画評論家などプロが選定している作品であれば、一定のクオリティを持っているといえます。
そこで今回は、古い名作映画を「午前十時の映画祭」や「史上最高の映画ベスト100」から選出して紹介します。古い映画の上映を見る方法なども解説するので、参考にしてください。
- 見るべき古い名作映画として、「午前十時の映画祭」の歴代作品と「史上最高の映画ベスト100」の1〜50位の作品を基準に、両方に重複している作品をピックアップします。
- 「午前十時の映画祭」と「史上最高の映画ベスト100」で選出された作品を詳しく紹介するので、チェックしましょう。
- 「映画館」や「テレビ放送」など、古い映画の上映を見る方法を解説します。
古い映画はどれを見るべき?【タイトル一覧】

見るべき古い名作映画として、「午前十時の映画祭」の歴代作品と「史上最高の映画ベスト100」の1〜50位の作品を基準に、両方に重複している作品をピックアップすると以下のとおりです。
作品名 | 監督 |
---|---|
めまい(1958年) | アルフレッド・ヒッチコック |
東京物語(1953年) | 小津 安二郎 |
花様年華(2001年) | ウォン・カーウァイ |
2001年宇宙の旅(1968年) | スタンリー・キューブリック |
雨に唄えば(1952年) | ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン |
ゴッドファーザー(1972年) | フランシス・F・コッポラ |
地獄の黙示録(1979年) | フランシス・F・コッポラ |
七人の侍(1954年) | 黒澤 明 |
タクシードライバー(1976年) | マーティン・スコセッシ |
8 1/2(1963年) | フェデリコ・フェリーニ |
サイコ(1960年) | アルフレッド・ヒッチコック |
お熱いのがお好き(1959年) | ビリー・ワイルダー |
裏窓(1954年) | アルフレッド・ヒッチコック |
羅生門(1950年) | 黒澤 明 |
北北西に進路を取れ(1959年) | アルフレッド・ヒッチコック |
「午前十時の映画祭」と「史上最高の映画ベスト100」については、次の章以降で詳しく紹介するので、チェックしていきましょう。
「午前十時の映画祭」の歴代作品から選出
午前十時の映画祭
映画評論家や脚本家などの作品選定委員会が選んだ傑作映画を1年間にわたって上映する特集上映で、映画演劇文化協会が主催している
2025年で15回目となる午前十時の映画祭の歴代作品を集計したところ、上映回数の多い名作は以下のとおりです。
上映回数 | 作品名(公開年) |
---|---|
7回(最多) | ・ショーシャンクの空に(1994年) ・ローマの休日(1953年) |
6回 | ・アラビアのロレンス(1962年) ・風と共に去りぬ(1939年) ・ゴッドファーザー(1972年) ・ニュー・シネマ・パラダイス(1988年) |
5回 | ・大脱走(1963年) ・ウエスト・サイド物語(1961年) ・スタンド・バイ・ミー(1986年) |
4回 | ・雨に唄えば(1952年) ・アマデウス ・ E.T. ・エデンの東(1955年) ・カサブランカ(1942年) ・ゴッドファーザー PARTⅡ(1974年) ・サウンド・オブ・ミュージック(1965年) ・スティング(1973年) ・砂の器 ・太陽がいっぱい(1960年) ・ドクトル・ジバゴ(1965年) ・バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年) ・七人の侍 ・ベン・ハー ・メリー・ポピンズ ・2001年宇宙の旅 |
最多の7回上映は「ショーシャンクの空に(1994年)」と「ローマの休日(1953年)」で、2回に1回は上映されています。
続いて6回上映したのは「ニュー・シネマ・パラダイス(1988年)」や「ゴッドファーザー(1972年)」など、5回上映作品は「大脱走(1963年)」や「スタンド・バイ・ミー(1986年)」などです。
また、上映作品の多い映画監督は、以下のとおりとなります。
監督(作品数) | 作品名 |
---|---|
黒澤 明(10作品) | ・赤ひげ(1965年) ・生きる(1952年) ・隠し砦の三悪人(1958年) ・椿三十郎(1962年) ・七人の侍(1954年) ・用心棒(1961年) ・羅生門(1950年) ・蜘蛛巣城(1957年) ・天国と地獄(1963年) ・野良犬(1949年) |
スティーヴン・スピルバーグ(9作品) | ・E.T.(1982年) ・インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年) ・インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年) ・ジュラシック・パーク(1993年) ・ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年) ・JAWS/ジョーズ(1975年) ・プライベート・ライアン(1998年) ・未知との遭遇(1977年) ・レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年) |
ビリー・ワイルダー(7作品) | ・あなただけ今晩は(1963年) ・アパートの鍵貸します(1960年) ・麗しのサブリナ(1954年) ・お熱いのがお好き(1959年) ・サンセット大通り(1950年) ・情婦(1958年) ・昼下りの情事(1957年) |
上映作品で最多なのは黒澤明で10作品が取り扱われており、七人の侍は過去4回上映しています。
続いて「E.T.」などを監督したスティーヴン・スピルバーグが9作品、「麗しのサブリナ」などを監督したビリー・ワイルダーが7作品です。
ちなみに、日本映画でよく上映されている名作は、以下のとおり。
上映回数 | 作品名 | 監督 |
---|---|---|
4回 | 砂の器(1974年) | 野村 芳太郎 |
4回 | 七人の侍(1954年) | 黒澤 明 |
2回 | 赤ひげ(1965年) | 黒澤 明 |
作品数同様に黒澤明の「七人の侍」と「赤ひげ」が2〜4回、野村芳太郎が監督した「砂の器」も4回されています。
「砂の器」は原作者である松本清張が「原作超え」を公認していることでも有名な傑作です。

「砂の器」は松本清張の原作と野村芳太郎の映画、両方セットで鑑賞したい作品です。
BFIの史上最高の映画ベスト100から選出
史上最高の映画ベスト100
10年ごとにイギリスの英国映画協会(BFI)が発表するランキングで、映画評論家などの投票で決定している
BFIによる「史上最高の映画ベスト100」の最新は2022年に発表されており、1〜50位の作品は以下のとおりです。
位 | 作品名 | 監督 |
---|---|---|
1位 | ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080(1975年) | シャンタル・アケルマン |
2位 | めまい(1958年) | アルフレッド・ヒッチコック |
3位 | 市民ケーン(1941年) | オーソン・ウェルズ |
4位 | 東京物語(1953年) | 小津 安二郎 |
5位 | 花様年華(2001年) | ウォン・カーウァイ |
6位 | 2001年宇宙の旅(1968年) | スタンリー・キューブリック |
7位 | 美しき仕事(1998年) | クレール・ドニ |
8位 | マルホランド・ドライブ(2001年) | デイヴィッド・リンチ |
9位 | これがロシアだ/カメラを持った男(1929年) | ジガ・ヴェルトフ |
10位 | 雨に唄えば(1952年) | ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン |
11位 | サンライズ(1927年) | F・W・ムルナウ |
12位 | ゴッドファーザー(1972年) | フランシス・F・コッポラ |
13位 | ゲームの規則(1939年) | ジャン・ルノワール |
14位 | 5時から7時までのクレオ(1962年) | アニエス・ヴァルダ |
15位 | 捜索者(1956年) | ジョン・フォード |
16位 | 午後の網目(1943年) | マヤ・デレン、アレクサンドル・ハッケンシュミード |
17位 | クローズ・アップ(1989年) | アッバス・キアロスタミ |
18位 | 仮面/ペルソナ(1966年) | イングマール・ベルイマン |
19位 | 地獄の黙示録(1979年) | フランシス・F・コッポラ |
20位 | 七人の侍(1954年) | 黒澤 明 |
位 | 作品名 | 監督 |
---|---|---|
21位 | 裁かるるジャンヌ(1927年) | カール・テオドア・ドライヤー |
22位 | 晩春(1949年) | 小津 安二郎 |
23位 | プレイタイム(1967年) | ジャック・タチ |
24位 | ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年) | スパイク・リー |
25位 | バルタザールどこへ行く(1966年) | ロベール・ブレッソン |
26位 | 狩人の夜(1955年) | チャールズ・ロートン |
27位 | SHOAHショア(1985年) | クロード・ランズマン |
28位 | ひなぎく(1966年) | ヴェラ・ヒティロヴァ |
29位 | タクシードライバー(1976年) | マーティン・スコセッシ |
30位 | 燃ゆる女の肖像(2019年) | セリーヌ・シアマ |
31位 | 8 1/2(1963年) | フェデリコ・フェリーニ |
32位 | 鏡(1975年) | アンドレイ・タルコフスキー |
33位 | サイコ(1960年) | アルフレッド・ヒッチコック |
34位 | アタラント号(1934年) | ジャン・ビゴ |
35位 | 大地のうた(1955年) | サタジット・レイ |
36位 | 街の灯(1931年) | チャールズ・チャップリン |
37位 | M(1931年) | フリッツ・ラング |
38位 | 勝手にしやがれ(1960年) | ジャン=リュック・ゴダール |
39位 | お熱いのがお好き(1959年) | ビリー・ワイルダー |
40位 | 裏窓(1954年) | アルフレッド・ヒッチコック |
41位 | 自転車泥棒(1948年) | ヴィットリオ・デ・シーカ |
42位 | 羅生門(1950年) | 黒澤 明 |
43位 | ストーカー(1979年) | アンドレイ・タルコフスキー |
44位 | キラー・オブ・シープ(1977年) | チャールズ・バーネット |
45位 | バリー・リンドン(1975年) | スタンリー・キューブリック |
46位 | アルジェの戦い(1966年) | ジッロ・ポンテコルヴォ |
47位 | 北北西に進路を取れ(1959年) | アルフレッド・ヒッチコック |
48位 | 奇跡(1955年) | カール・テオドア・ドライヤー |
49位 | WANDA/ワンダ(1970年) | バーバラ・ローデン |
50位 | 大人は判ってくれない(1959年) | フランソワ・トリュフォー |
2012年の史上最高の映画ベスト100ではアルフレッド・ヒッチコック「めまい」が1位でしたが、2022年はシャンタル・アケルマン「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080」が1位となりました。
日本の映画では、小津安二郎の「東京物語」、黒澤明の「七人の侍」がランクインしています。
午前十時の映画祭の歴代上映作品とのかぶりも多いですが、他の作品もデイヴィッド・リンチやジガ・ヴェルトフなど有名監督が製作している傑作ぞろいです。
古い映画の上映を見る方法

古い映画の上映を見る方法は、以下のとおりです。
- 映画館
- レンタルビデオ
- 動画配信サービス
- テレビ放送
それぞれについて解説していきます。
方法①映画館
旧作をメインに上映する「名画座」やシネコンなどで実施する傑作映画の特集上映「午前十時の映画祭」であれば、古い映画を鑑賞できます。
また、過去に公開済みの作品を一定期間経てから、手直しせずにそのまま再度上映する「リバイバル上映」でも旧作を見ることが可能です。
自宅でDVDでも鑑賞できますが、映画館クオリティの映像や音楽で名作を楽しみたい方に向いています。

近隣の映画館のプログラムや上映スケジュールを確認してみましょう。
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方法②レンタルビデオ
レンタルビデオは旧作や一定の名作を貸し出しており、自宅で古い映画を鑑賞できます。
レンタルビデオはポップを掲示したり特集コーナーを組んだりしている場合もあることから、知識のない方でも名作に触れられる可能性があります。
また、旧作であればリーズナブルな値段で借りれるのも嬉しいポイントです。ジャケットやあらすじを確認しながら選べるので、ミスマッチを避けられるでしょう。
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方法③動画配信のサブスク
AmazonプライムビデオやNetflixなどの動画配信のサブスクでも、定額で古い映画を鑑賞できます。
動画配信のサブスクでは鑑賞記録からおすすめの提案があったり、評価やランキングを確かめたりできるので、利便性が高いのがメリットです。

最新作公開前に旧作を一気見できる場合もあり、トレンドを押さえながら利用できます。
Amazonプライムビデオでは専門チャンネルを有料で追加できるため、さらに充実した映画ライフを送ることが可能です。
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方法④テレビ放送
自分の好きな作品ばかりを選ぶのは難しいものの、BSシネマや金曜ロードショーなどのテレビ放送でも古い映画を見れます。
思わぬ好きな作品と出会える可能性もあり、毎週・毎日録画して鑑賞するのもおすすめです。
また、基本的にお金をかけずに古い映画を見れるのもメリットだといえます。

私も2TBのハードを用意して、古い映画を撮り溜めています。
歴代興行収入ナンバーワンの映画

世界の歴代興行収入ナンバーワンの映画は、ジェームズ・キャメロンが監督した「アバター(2009年)」で約29億ドルです。トップ5は、以下のとおりとなります。
興行収入 | 作品 | 監督名 |
---|---|---|
約29億ドル | アバター(2009年) | ジェームズ・キャメロン |
約28億ドル | アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年) | アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ |
約23億ドル | アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年) | ジェームズ・キャメロン |
約22億ドル | タイタニック(1997年) | ジェームズ・キャメロン |
約20億ドル | スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年) | J・J・エイブラムス |
「ジェームズ・キャメロン強し!」としかいえない結果で、トップ5のうち3作品がジェームズ・キャメロンが監督した作品です。
ちなみに、日本映画で興行収入ナンバーワンの映画は、「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」で約404億円で、なんと国内でのタイタニック興行収入よりも上となります。

やはり興行収入の高い作品は作品で気になる…!
古い映画に関するQ&A

最後に、古い映画に関するよくある質問を解説するので、疑問を解消しましょう。
古い映画のパンフレットを手に入れるには?
古い映画のパンフレットを手に入れるには、ヤフオクやメルカリなどのインターネットオークションサイト・アプリを活用する方法があります。
ある程度流行した古い映画であれば、送料込みで500円前後から中古パンフレットを購入できるケースがあり、手軽に入手することが可能です。
「古い映画」を英語でいうと?
「古い映画」を英語でいうと、「old movie」や「old film」となります。
また、古い映画のなかでも時代を超えて愛される傑作や不朽の名作は「classic movie」と表現します。
まとめ

今回は以下の3つの基準から、見るべき古い名作映画をピックアップしました。
- 午前十時の映画祭の歴代上映作品
- BFIの史上最高の映画ベスト100の1〜50位の作品
さまざまな名作映画がありますが、鑑賞する方法は「映画館」「レンタルビデオ」「動画配信サービス」「テレビ放送」です。
また、世界の歴代興行収入ナンバーワンの映画は、ジェームズ・キャメロンの「アバター(2009年)」で約29億ドルでした。
今回の記事を、映画ライフを楽しむ参考にしてください。
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