「そういえば、文庫本の帯とは?何のために付いてるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

文庫本の帯はついつい読んじゃう…そしてレジに持っていく自分もいる。
結論、文庫本の帯とは宣伝するためのPRとしてカバーの上から巻かれている紙のことで、本の帯自体は大正時代から始まったとされています。
読書好きなら、文庫本の帯についても知っておきたいもの。
そこで今回は、文庫本の帯の定義・付いている理由・保存方法などを解説するので、参考にしてください。
文庫本の帯とは?付いている理由を紹介

文庫本の帯とは、宣伝するためのPRとしてカバーの上から巻かれている紙のことで、帯紙(おびがみ)や腰巻(こしまき)と呼ばれる場合もあります。
文庫本の帯に書かれている情報は、以下の通りです。
- あらすじ
- キャッチコピー
- 推薦文
- 部数
- イラスト
文庫本の本来のカバーに馴染むよう帯から、派手で人目を引くような帯まで、色やデザインはさまざま。
帯のサイズに明確なルールはないものの、文庫本の縦幅の1/3程度に設定するのが一般的です。
ただし、「特大帯」や「全面帯」など本全体を覆うような帯もあり、出版社やレーベルによっても異なります。
帯次第では書店で手に取ってもらえる確率が高まるため、売れ行きを左右すると言っても過言ではありません。
最近では、電子書籍でも帯の付いた表紙を表示しているケースが増えているのも特徴です。
▼「そもそも文庫本とは何か?」「裏表紙のあらすじは誰が書いている?」などの疑問をまとめた記事は、こちら。
文庫本の帯はいつから始まった?
文庫本の帯がいつ始まったかは定かではありませんが、本に帯が初めて付いたのは1914年(大正3年)とされています。
文庫本自体は1903〜1927年の時期に創刊しており、つまり文庫本が登場する前もしくは同時期に帯の文化があったといえるでしょう。
ちなみに、本の帯は日本独特の習慣で、海外にはありません。海外の本はカバーが付いていないケースも多く、ペーパーバックのまま売られているのも珍しくありません。
▼ペーパーバックについてまとめた記事は、こちら。
帯を見て購入する人はどれくらいいる?
株式会社マクロミルのアンケート結果(15~69歳の男女1,062名が対象)によると、書店で本を買うときの決め手(複数回答可)は以下の通り。
決め手 | 割合 |
---|---|
好きな作品・シリーズ | 53.7% |
好きな作家 | 47.3% |
表紙やタイトル | 42.2% |
本の帯の情報 | 28.3% |
書店のおすすめや、書店のランキングで上位であること | 21.3% |
ネットやSNSで話題になっているもの | 18.8% |
POPの内容 | 15.2% |
本の帯を決め手としているのは約30%で、書店のランキングやSNS情報よりも多くを割合を占めているのが現状です。
帯はカバーと一体になっていることで存在感が大きく、書店で本を探す方にとって大きな影響を持っています。
また、購入者もカバーに重要情報が記載してあると認識しているため、購入の参考にしているといえるでしょう。
文庫本の帯の保存方法

文庫本の帯の保存方法は、以下の通りです。
- 文庫本に挟む
- スクラップブックに貼る
- カバーの内側に巻く
帯をきれいに残しておきたいという方は、ぜひ参考にしてください。
文庫本に挟む

文庫本の帯を角部分で折り、文庫本に挟んでおくと、破けずに保管できます。
また、帯をしおりとして使用して、そのまま挟んで保存しておくのもおすすめです。
本を再読したり、整理したりしたときに、本の内容と一緒に帯も確認できます。
本と一緒に保存しておきたい方に向いている保存方法です。
▼本の再読についてまとめた記事は、こちら。
スクラップブックに貼る
文庫レーベルやジャンルに分けて、帯をスクラップブックやアルバムに貼るのも保存方法の1つです。
一覧にできるので、数多くの帯を集めている場合や、コミックなど文庫本以外の帯なども収集している場合に最適だといえます。
集まった本の帯を簡単に比較できるのも嬉しいポイントです。
「これから帯を集めるのを趣味にしたい」「たくさん集めたい」と考えている方にも、向いています。
カバーの内側に巻く

「文庫本と一緒に保存したいけど、角を折るの避けたい」といった場合には、カバーの内側に巻く方法もあります。
帯を内側に巻いておけば、自然な状態で保存できるのがメリットです。
ただし、外側から見えないためカバーを巻いたことを忘れる可能性があり、帯が付いている本は同じ方法で保存する習慣づけをしましょう。
また、帯の色がカバー裏の白地に移る場合があるので、注意が必要です。
本の帯は捨てる派?捨てない派?

ブックオフオンラインのスタッフアンケートによると、以下の通りです。
本の帯をどうするか | 割合 |
---|---|
取る派 | 25% |
取らない派 | 75% |
「取らない派」が75%と圧倒的に優勢で、しおりとして利用したり、好きな作家の推薦文が書かれていて捨てられなかったりするなど理由はさまざま。
一方で、25%と少数派となった「取る派」は、読む上で邪魔になるなどが取り外す理由でした。

文庫本に限らずコミックでも「取る派」で「捨てる派」です。
本を収納する際に帯が引っかかって破けるのがストレスだったため、小中学生の頃から帯は捨てる派でした。
ただし、印象に残った場合や帯が本のデザインの一部だと感じている場合のみに、角部分を折って本の中に保存しています。
忘れられない文庫本の帯

個人的に忘れられない文庫本の帯は、新潮文庫のドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟(下巻)」に付いていた帯。
ドストエフスキー作品をあまりにも言い当てており、見るたびに「そうなんだよなぁ」と共感してなかなか捨てられません。
カラマーゾフの兄弟以外の場合でも、ドストエフスキー作品は序盤を読むのに数ヶ月かかる(が、後半はたまらなく面白い)傾向にあります。
また、J.D.サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」は、ベージュの帯はもはやデザインの一部だといえるでしょう。

カバーの帯に相当する部分もベージュに色付けされていますが、帯じゃないとしっくりこないレベルです。
文庫本ではありませんが、詩集の帯は残しておく派。

デザインに馴染んでいたり、カバーを引き立てていたりと、デザイン性が高いのがポイントです。

思い出に残る帯やお気に入りの帯は残しておくと、本を整理していても楽しい。
▼文庫本についてまとめたその他の記事は、こちら。
まとめ

文庫本の帯とは、本をアピールするためにカバーの上から巻かれている紙のことで、あらすじ・キャッチコピー・推薦文などが書かれています。
文庫本の帯を保存するおすすめの方法を、おさらいしましょう。
- 文庫本に挟む
- スクラップブックに貼る
- カバーの内側に巻く
本の帯は「取らない派」が75%と多数で、保存しておく理由は「好きな作家の推薦文が書かれているから」などさまざまです。
今回の記事を、読書ライフを楽しむ参考にしてください。
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