「自分に合った本を見つけたい」「本選びで失敗したくない」と考える方も多いでしょう。
自分に合った本を見つけるのは、なかなか骨が折れる。
結論、本の選び方には「ジャンルで選ぶ」「実際に書店で手に取って選ぶ」などがあり、コツさえつかめばスムーズにぴったりな本を見つけられます。
何となく本を購入すると「想像と違った」と後悔を感じる可能性があり、せっかくかけたお金を無駄にする場合もあるので中が必要です。
そこで今回は、これから読書に力を入れたい方に向けて、自分に合った本の選び方のコツを紹介します。
中古本の選び方についても解説するので、参考にしてください。
本の選び方のコツ【初心者編】
初心者向けの本の選び方のコツは、以下の通りです。
ぞれぞれについて解説するので、読書ライフを充実させる参考にしてください。
コツ①ジャンルで選ぶ
好きな作家を短期間で見つけるのは難しいため、大まかなジャンルで本を選びましょう。
例えば、本のジャンルには以下の種類があります。
- ミステリー・サスペンス
- エッセイ
- 時代小説
- ロマンス
- ノンフィクション
- ビジネス・経済
- 政治・社会
- アート・デザイン
- スポーツ
- 音楽
「読んでないのに好きなジャンルなんて分からない」といった場合には、よく見る映画やドラマのジャンルを参考にするのがおすすめ。
ある程度興味のあるジャンルであれば、読むことがストレスになる可能性も低いといえます。
また、読んだことはないものの気になっているジャンルがあれば挑戦してみるのも良いでしょう。
私が読書に夢中になったきっかけも、「中学や高校の現代文で読んだあの作品は結局何だったの?」というところにあり、夏目漱石などを読み始めました。
▼読書好きになったきっかけや夏目漱石に関する記事は、こちら。
コツ②実際に書店で手に取って選ぶ
「読み始めたら何か違う」「思ったよりも読みにくい」などのミスマッチを回避するためにも、実際に書店で手に取って本を選びましょう。
電子書籍や通販で購入する場合には、試し読み機能を活用するのがおすすめです。
もちろん冒頭だけでは判断できないものの、あらすじと最初の2、3ページをだけでも読むと、自分に合うか参考にできます。
出版社やページ数などによっても価格は異なりますが、例えば文庫本の平均価格は732円とされており、ミスマッチによってお金を無駄にしてしまうのは勿体無いもの。
さらに、直に手に取るとフィーリング的な判断ができるのもメリットです。
参考元:NHK|News Up 最近手に取りましたか?文庫本の現在地
コツ③本の厚さで選ぶ
読んでいる途中で心を折らないためには、本の厚さで選ぶことも大切。
厚い本は読む前のテンションは高められるものの、読み始めてからは「まだ半分もいかない」とモチベーションの維持が困難です。
また、厚い本は重量が重いことから、携帯しにくいのもネック。
通勤・通学時に読もうと意気込んでも、結局持ち運ばなくなる可能性が高く、さらに読むペースが遅くなります。
個人の経験上、厚い本は1回読むのをやめるとなかなか再開できません。本の厚みを眺めながら「厚いな…」と3ヶ月放置するなんてザラです。
例えば文庫本200ページ前後であれば持ち運びやすく、1日10ページ前後の進捗でも1ヶ月程度で読み切れるでしょう。
▼文庫本について深掘りした記事は、こちら。
コツ④口コミや評価で選ぶ
実際にその本を読んだ方の口コミや評価を参考にしておくと、自分の興味や趣向から大きくはずれた本を避けることが可能です。
個人的には、アカデミックでマニア過ぎる評価はあまり参考にせず、なるべく一般レベルの感想や作品単体の評価をチェックしています。
「この作家は違う作品では〜〜〜で、◯◯◯派の影響が強く」云々と書かれていても、一向に内容の面白さは分かりません。
自分と同じ悩みを持つ方や、純粋に内容から受けた感想を書いている方の口コミを参考にすれば、イメージが湧きやすいでしょう。
また、高評価・低評価の両方の口コミを確認するのもおすすめ。
どんな後悔があるか・どんな人には合わないか判断するためにも、高評価だけではなく低評価もチェックしてみてください。
コツ⑤表紙や佇まいで選ぶ
読書のモチベーションを維持するには、表紙や佇まいなどのフィーリングも重要です。
内容が面白ければ読み切れるのはもちろんですが、本棚から取り出したときなど、表紙を見る度にテンションが上がるとなお良し。
本とフィーリングが合わないというのも変な話ですが、表紙を見たり触ったりすると「好きになれないかも」と思うこともしばしば。
むしろ内容に興味がなくても、デザインが好みで本棚に置きたいとの理由から購入し、思わぬ出会いがあるケースもあるでしょう。
コツ⑥出版社で選ぶ
同じ作者の本が複数の会社から出ている場合は、出版社で選ぶのもおすすめです。
特に文庫は一見同じように見えますが、出版社によってカバーデザインが異なるのはもちろん、行間/文字間・文字の級数・余白・紙質・紙の厚さなど違いがあります。
本の仕様の違いは読みやすさに直結するため、一度書店で比較してみると良いでしょう。
個人的には、純文学は新潮文庫で揃えていますが、表紙のデザインによっては他社の文庫本も購入します。
▼読書についてまとめたその他の記事は、こちら。
本の選び方のコツ【中古編】
中古本を検討している方向けの選び方のコツは、以下の通りです。
「本の選び方のコツ【初心者編】」で紹介した項目も参考にしつつ、チェックしてみてください。
コツ①ルビや注釈のない本は避ける
辞書を開いたりスマホで調べたりする手間を省くためにも、ルビや注釈のない本は避けましょう。
常用漢字にルビのないレベルであれば問題ないですが、旧字・旧かなが多用された中古本は漢字を調べるだけで一苦労な場合があります。
古本屋で購入するのであれば状態を確認できますが、通販ではなかなか中身まではチェックするのは難しいもの。
通販を利用する場合には、発売日や状態を確かめられるサイトで購入し、なるべく最近に発売された中古本を選ぶのがおすすめです。
コツ②文字が小さ過ぎる本は控える
発行年の古い本は文字の級数が小さい場合があり、読みづらさを感じるので注意が必要です。
そして大抵は文字の小さな中古本にはルビや注釈がない傾向にあるので、読み始めて挫折するケースも。
個人的な印象ですが、不思議なもので文字が小さいと本の難解度が上がっているような気分になります。
最後までストレスなく読むためにも、書店で直接確認したり、発売日を確認できる通販サイト利用したりして比較的最近出版された本を手に入れましょう。
コツ③傷み度合いをチェックする
中古本の状態は新品に近い本からボロボロな本までさまざまあるため、傷み度合いをチェックしてください。
状態の悪い本だと、ページ全体が黄ばんでいたり、カバーが破けていたりして、購入を後悔する可能性も。
黄ばみ自体は問題ないのですが、茶色のレベルまでいくと文字の可読性が落ちることから読みづらさを感じる場合があります。
特に通販は直に状態がチェックできないので、商品の写真や状態のレベル・説明などを参考にして買うと良いでしょう。
コツ④新品との値段を比較する
中古本でも新品と値段があまり変わらない可能性があり、購入前に新品と中古の両方の値段を比較するのがおすすめです。
新品との差額が100円程度で大きく変わらないなど、「値段がそんなに変わらないなら新品を買えば良かった」と失敗を感じるケースがあります。
また、通販では送料を含めて複数のサイトの値段を比較しておくと、よりお得に購入することが可能です。
感覚値ですが、やはり中古本なら新品の半額以下で購入できないとお得感がないと思ってしまいます。
自身で「中古本で買うなら半額程度」など具体的な金額の基準を設けておくと、後悔するリスクを回避できるでしょう。
書籍費用を抑えたいという場合には、次の章の「目的に合わせて通販を使い分ける」も参考にしてみてください。
コツ⑤目的に合わせて通販を使い分ける
「近隣に品揃えの良い古本屋がない」「直接店舗に足を運ぶ時間がない」といった場合には、目的に合わせて通販を使い分けましょう。
通販で中古本を購入する際に気をつけたいのは、送料です。
例えば、商品数ごとに送料が発生するAmazonマーケットプレイスは都度購入する方に、購入ごとに送料が発生するBOOKOFFオンラインはまとめ買いする方に最適。
また、欲しいジャケットやバージョンなどが決まっている方は、商品画像が確認できるネットオークションの利用が向いています。
▼中古本のメリット・デメリットや通販の使い分けを詳しく解説した記事は、こちら。
本の選び方のコツ【純文学編】
「純文学を読んでみたいけど、どの本を読んだらいいか分からない…」といった場合の、選び方のコツは以下の通りです。
純文学に興味のある方は、参考にしてください。
教科書で習った作品から取り組む
「ひとまず、最後まで読み切った!」という成功体験を積むためには、教科書で習った作品から取り組むのがおすすめです。
教科書で習った作品は内容について大まかに理解していたり、抵抗感が少なかったりするため、スムーズに取り組めます。
1冊目を読み切ることで、「次も純文学を読もう!」とモチベーションを高められるのも特徴です。
逆に1冊目からマイナーで難易度の高いの本を選んでしまうと、「やっぱり、純文学ってつまらない」となってしまうので注意しましょう。
▼高校の現代文で習う作品をもう一度読みたい方は、こちらをチェック。
あらすじを読んで、興味のある本から取り組んでみてください。
作品の発表順などは気にし過ぎない
作家の最初の作品が面白いとは限らないため、発表順などは気にし過ぎないこともポイントです。
肩に力が入りすぎるとWikipediaなどで作家の生涯や作品順を網羅してから、「よし!最初の作品から取り組もう!」と頭でっかちになりやすいもの。
例えば、夏目漱石の最初の作品は「我輩は猫である」ですが、新潮文庫で読む場合には545ページが目安となるため、読み切るのに時間が必要です。
一方で高校の現代文で習った「こころ」であれば、比較的展開も明確で分かりやすく、ページ数の目安も327ページで1日10ページ程度でも1ヶ月で読み切れます。
「教科書で習った作品から取り組む」を参考にしつつ、興味のある本から読んでみましょう。
▼純文学についてまとめたその他の記事は、こちら。
本選びでよくある質問
本選びでよくある質問は、以下の通りです。
購入する前に、疑問点をクリアしておきましょう。
書籍代はどれくらいかけてる?
総務省統計局の家計調査によると、総世帯の書籍・他の印刷物費用は、以下の通りです。
年 | 年額 | 月平均 |
---|---|---|
2022 | 33,759円 | 約2,813円 |
2017 | 40,281円 | 約3,356円 |
2012 | 45,411円 | 約3,784円 |
10年間の推移を確認すると、1世帯あたりの書籍費用は月3,000円程度だと考えられます。
ただし、家計調査では古本を含めた新聞・雑誌・カレンダーなどの印刷物や書籍の費用を取り扱っており、純粋に読書のための本の費用ではないため注意が必要です。
上記の費用感を参考にしつつ家計全体のバランスを考えながら、無理のない範囲で本を購入してください。
つまらない本でも最後まで読むべき?
つまらない本を読むことが苦痛やストレスになるのであれば、最後まで読む必要はないでしょう。
ただ、最後にどんでん返しや急展開が待っている可能性もあるので、「これ以上読めない!」といった場合にはネタバレ覚悟で、全体のあらすじをチェックするのも◎。
面白い作品に出会えれば、「ひとまず最後まで読む」という習慣が自然と身につけられるので、なるべく興味がある分野に取り組みましょう。
面白くない訳ではなかったのですが、私もヘッセの「車輪の下」は毎回同じところで読むのをやめてしまい、結局読み切るのに10年くらいかかりました。
「いつか読破するでしょう」という緩い姿勢も大切。
まとめ
自分に合った本の選び方のコツとして、以下を紹介しました。
- ジャンルで選ぶ
- 実際に書店で手に取って選ぶ
- 本の厚さで選ぶ
- 口コミや評価で選ぶ
- 表紙や佇まいで選ぶ
- 出版社で選ぶ
また、中古本の場合には、ルビや注釈のない本は避けたり、新品との値段を比較したりすると、後悔しにくいでしょう。
総務省統計局の家計調査によると、総世帯の書籍・他の印刷物費用は月約3,000円程度だと考えられます。
家計全体のバランスを見ながら、読書にかけられる予算を明確にして無理なく本を読みましょう。
今回の記事を参考にしながら、本選びを進めてみてください。
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