「本を購入する前に、中古本のメリットとデメリットを知っておきたい」という方もいるでしょう。
中古本からしか得られない栄養素が、ある。
結論、中古本には「新品よりも安く購入できる」などさまざまなメリットがある一方で、「傷みが酷い場合がある」というデメリットもあります。
そこで今回は、中古本のメリットとデメリットを詳しく解説します。
中古本の利用がおすすめな人の特徴やおすすめの通販も紹介するので、参考にしてください。
中古本のメリット
中古本のメリットは、以下の通りです。
1つでもメリットだと感じたら、中古本の利用が向いているでしょう。
新品よりも安く購入できる
中古本は新品よりも安く購入できるので、書籍にかける費用を抑えられるのが魅力です。
1冊あたりの文庫本の価格は、古本屋の店舗であれば100円前後〜、通販であれば250円前後〜で購入できるため、新品の相場が700円前後だとすると半額以下で手に入れられます。
私は近隣に古本店がないので、主に通販で中古本を購入。
Amazonのマーケットプレイス→ヤフオク・Yahoo!フリマ→BOOKOFFオンラインの順で確認して、状態・価格・表紙デザインから総合的に購入先を判断します。
通販での購入が気になる方は、先に「中古本はどこで買う?おすすめの通販」の章をチェックしてみてください。
状態や希少性によっても価格は変化しますが、新品と同じ金額を出すのであれば、中古なら2〜3冊程度の本を買える可能性があるでしょう。
一期一会の出会がある
さまざまな人・古本屋を巡ってやって来た中古本には、一期一会の出会があるのが面白いところ。
1つとして同じルートで辿り着いた本はないためイベント性が高く、中古本の醍醐味だともいえます。
個人的にグッと来るは中古本は、以下の通りです。
- 蔵書印が押印されている
- 読了日などが手書きで記されている
- 廃業した本屋や古本屋のしおりが挟まっている
- パラフィン紙に包まれている
私が少々変わり者である可能性も高いのですが、蔵書印のレパートリーを見たり、数十年前の読書の履歴を確認したりすると、非常にワクワクします。
例えば、章冒頭の写真は先日購入した「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」。60年以上前の記録が残されており、以前の持ち主のことをいろいろ想像します。
購入者によって異なると思いますが、個人的には過去の所有者の痕跡を見るのは中古本の醍醐味の1つです。
▼パラフィン紙やグラシン紙についてまとめた記事は、こちら。
絶版本など希少価値のある本を買える
通販や店頭など、探せば絶版本や希少価値のある本を買えるのも中古本のメリットです。
小説として絶版になっているケースもありますが、発行は続いているもののジャケットが絶版になっているパターンが多く、中古本を漁って揃えているシリーズがいくつかあります。
章冒頭の写真は、横尾忠則デザインのちくま文庫の「坂口安吾全集」(左)と杉本一文が担当した角川文庫の横溝正史・金田一耕助シリーズ「本陣殺人事件」(右)。
読んでるときはカバーをかけているので普段見えないのですが、やっぱり表紙は読書のテンションを決めるところがあるので重要です。
収集癖がつい顔を出す瞬間。どちらかと言えば新潮文庫派ですが、芥川龍之介は角川文庫の天野喜孝表紙が良くて、あっさり裏切りました。
▼文庫本や絶版についてまとめた記事は、こちら。
状態のきれいな本も多数ある
中古本とはいえど、新古に近い本も多数あるため、新品に近いきれいな状態で購入することも可能。
店頭は直に確認できますが、通販でも「良」や「可」など状態をチェックできるサイトで買えば、大きなハズレをつかむことまずないでしょう。
ただし、「誰も触っていない中古本が欲しい」というのは難しいため、新品を買ったり電子書籍で読んだりしたほうがストレスがありません。
個人的には新品に近い中古本は面白味がないと言いますか、黄ばんでいる…いっそ茶色な本や、「おや?壊れる?」くらいページが開く本が当たり前になりつつあります。
衛生面でははなく状態を重視する場合には、中古本の購入もおすすめです。
中古本のデメリット
中古本のデメリットは、以下の通りです。
メリット・デメリットは紙一重。購入してから後悔しないためにも、デメリットも踏まえておきましょう。
傷みが酷い場合がある
中古本の状態はさまざまなので、文字は読めるものの傷みが酷い場合があります。
ページ全体が茶色になっていたり、今にも壊れそうな程ページが開いたり、表紙カバーがボロボロだったり…など例を挙げると際限がありません。
文字が読めない程に傷んでいる本は購入したことはありませんが、ページが茶色になっており、かつ文字の級数が小さい時代の本は文字の可読性が低く読みづらいケースも。
「地が白色で文字が黒色で、コントラストが効いているからこそ本は読みやすいんだな」と改めて実感する訳です。
ただし、外見が茶色でもページには傷みが少ない可能性もあるので、直に確認する必要があるでしょう。
情報が古くルビや注釈がないケースがある
中古本の出版された年代によっては、情報が古くルビや注釈がないケースも。
特に資格・検定の対策本、税務・財務系の本などは、最新の出題傾向に合わせたり、法改正が反映されたりして都度修正されているので、中古本は向かない傾向にあります。
また、小説は中古本だと漢字のルビや注釈がない場合があり、注意が必要です。
最近で1番困ったのは、有島武郎の「或る女」(1962年発行)。
例えば「寫眞」は「写真」の旧字にあたりますが、まず調べるのが大変です。
パーツの組み合わせで検索するにも文字の分解もできず…前後の文脈で検討を付けてどうにか解明した記憶があります。
さらに、年代によっては文字の級数が小さく、ただでさえ読みやすいとはいえない純文学の読みづらさが倍増。
中古本の次に新品の本を読むと、ルビの多さと文字の大きさ、行間の広さに驚きと感動を覚えます。
スムーズに読書したいという方は、比較的最近に出版された本を探しましょう。
▼有島武郎「或る女」のレビュー記事は、こちら。
作者や出版社は応援できない
中古本の売上は作者や出版社に入らないため、作者や出版社は応援できません。
ちなみ、小説の印税は知名度などの条件によっても異なりますが、8〜12%が一般的です。
新品で買えば1割程度が作者に入ると考えると、確かに購入することで作者を支えているといえます。
私は著作権が切れているような本しか読まないので、お恥ずかしながらあまり気にしたことがないのが事実。
作者を応援したいという場合には、書店や通販で新品を購入しましょう。
中古本にについてどう思う?断然アリ派
「中古本にについてどう思う?」と聞かれたら、個人的には断然アリ派です。
理由は私が純文学を中心に読んでいる影響もありますが、中古本のほうが雰囲気があるのでテンションも上がりやすいからです。
作者の人生を思って読むことももちろんですが、私の手元にくるまで辿ったルートや前の所持者の本棚を想像するのも中古本の楽しみの1つ。
なかには「壊れそう」と心配になりそうな中古本を購入した経験もありますが、それもまた一興です。
中古本の利用がおすすめな人の特徴
中古本の利用がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。
中古本は新品よりも安価な値段で購入できるため、書籍の費用を抑えたい人に向いています。
出版された年代や保存状態にもよりますが、中古本には基本的に日焼けや擦れがあるので、リユース品が気にならない人におすすめ。
また、年代物の本も多く、雰囲気や味わいを楽しみたい人や一期一会の出会いを楽しめる人、絶版本を探している人に最適です。
中古本がどうこうではなく、古本屋の雰囲気や佇まいが好きな人にもぴったり。
逆に、衛生面が気になる人や作者を応援した人は、新品を購入すると後悔を感じにくいでしょう。
中古本はどこで買う?おすすめの通販
「中古本はどこで買うべき?」と疑問を感じる方に向けて、タイプ別におすすめの通販を紹介します。
個人の経験をもとに詳しく解説していくので、参考にしてください。
1冊買うなら、Amazonマーケットプレイス
中古本を1冊買うなら、Amazonマーケットプレイスがおすすめです。
Amazonマーケットプレイスではさまざまな業者が出品しているので、状態・本体価格・送料を比較して買えるのがメリット。
感覚値ですが、中古でも値崩れしない出版社を除いては、文庫本の小説なら本体価格1〜300円+送料が250円〜程度で購入できます。
よく本体価格1円の本も購入します。送料込みで300円程度なら、予算の範囲内。
ただし、送料が商品数分かかることから、複数の中古本を買うのには向きません。
さらに本の状態は「可」などの表示から判断できますが、送られてくる実物の商品は基本的に見れないので、欲しいデザイン・カバーがある場合にも不向きです。
Amazonのマーケットプレイスでの「中古本やっちまった事件」は以下の通り。
上下巻を状態のみ確認してぞれぞれ購入したら、表紙が揃わず(文字の級数も違う)、「知っていたけど、忘れてた」と。
内容的には問題なかったものの、下巻の文字の小ささに慣れるのに少し時間がかかりました。
「毎月1冊欲しい」「まとめ買いはしない」「状態と価格を比較したい」という場合には、Amazonのマーケットプレイスを活用できるでしょう。
▼Amazonで中古本を買う際の状態判断や注意点をまとめた記事は、こちら。
何冊も買うなら、中古本専門の通販サイト
何冊も買うなら、BOOKOFFオンラインなどの中古本専門の通販サイトがおすすめです。
業者によっても異なりますが、1冊あたりの値段が比較的低価格で、まとめて発送してくれるため発送費用を抑えやすいことが理由として挙げられます。
さらに、楽天市場やYahoo!ショッピングなど大手通販サイトにストアを持っている場合には、ポイント還元があるのも嬉しいポイントです。
私も半年に1回くらいの頻度で、BOOKOFFオンラインでまとめ買いしており、とても便利で重宝しています。
基本的にサムネイルと同じ表紙の本が送られてくる傾向にありますが、購入時に確認した商品画像と表紙が一部違う場合もあり、以下の通りです。
「まとめ買いしたい」「表紙には特にこだわりなし」「ポイントも貯めたい」といった場合には、中古本専門の通販サイトが向いているでしょう。
欲しいデザインがあるなら、ネットオークション
表紙や限定バージョンなど、欲しいデザインがあるならネットオークションがおすすめです。
出品者がそれぞれ撮影した写真が掲載されており、希望する本を購入できます。
また、状態などが細く買いてあったり、写真が何枚も掲載されたりしている場合があるので、状態を確認しやすいのもポイントです。
「絶版本など希少価値のある本を買える」の章で紹介した、金田一耕助シリーズはいつもヤフオクなどのネットオークションで購入しています。
さらに、同包に対応している出品者から買えば、複数購入したい場合にも送料を軽減できる可能性も。
AmazonのマケプレとBOOKOFFオンラインになくても、ヤフオクにはあるケースもしばしば。
ただし、中古本に限った話ではありませんが、原則個人間のやり取りであることを念頭にしておくことが大切です。
基本的にトラブルが発生した場合には、自身が出品者とやり取りして解決する必要があるため、万が一の際には手間がかかります。
トラブルを回避するためにも、出品者の評価などを事前にチェックしておきましょう。
まとめ
中古本には「新品よりも安く購入できる」「一期一会の出会がある」「絶版本など希少価値のある本を買える」などのメリットがあります。
一方で、「傷みが酷い場合がある」「情報が古くルビや注釈がないケースがある」といったデメリットもあるので、注意が必要です。
書籍の費用を抑えたい人やリユース品が気にならない人などであれば、中古本を活用できるでしょう。
中古本を通販で買うなら、Amazonマーケットプレイス・中古本専門の通販サイト・ネットオークションを目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。
今回の記事を、読書ライフを楽しむ参考にしてください。
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