「カルト映画とはどんなもの?怖いの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
そう、「カルト映画」と「オカルト映画」と勘違いして、場を凍らせたことがなきにしもあらず。
結論、カルト映画とは特定の人々から熱狂的な支持を受ける映画のことです。
紛らわしい言葉もあり、つい知ったつもりで使用して恥ずかしい思いはしたくないもの。
そこで今回は、カルト映画とは?をテーマに定義や魅力を徹底解説します。
カルト映画のおすすめ作品や1度は見ておくべき伝説作品についても紹介するので、参考にしてください。
カルト映画とは
カルト映画とは、一部のマニアや愛好家から熱狂的な支持を受ける映画のことです。
カルト映画には大まかに2種類のパターンがあります。
- 人を選ぶようなストーリー・表現であって万人受けはしないマイナー作品
- 広く知られている作品だが、一部のファンが倒錯的に支持している作品
多くの場合は、前者のマイナー作品を指すのが一般的です。
カルトとは「崇拝」という意味で、「カルトシネマ」や「カルトムービー」とも呼ばれています。
また、思わず人に離したくなるようなエピソードや逸話を併せ持っているのも特徴。
カルト映画の幅は広く、低予算な映画・低俗とされる映画から古典映画、世界的にも有名な監督が撮った映画までさまざまです。
マイナーといえども大きな影響力を持つ作品も多く、オマージュ元となっているケースも珍しくはありません。
何だかとっても雑なんだけど、何だかとっても愛おしさが…半端じゃない!
カルト映画の魅力!くだらなさと愛おしさの果てに
カルト映画の魅力は、以下の通りです。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
魅力①無性に見たくなる面白さがある
カルト映画は楽しい作品であれ、怖い作品であれ、無性に見たくなる面白さがあるのが魅力です。
単に個人的なツボにハマるというだけではなく、厨二病をくすぐられたり、妙な愛おしさを感じたりするシーンや設定があり、マニアたちを惹きつけます。
トラウマに近い作品であっても、なぜか「また見よう」と思わせる不思議な引力があるといえるでしょう。
また、他では感じられないカルト映画にしかない独特の世界観や表現があり、何度も見たくなります。
いつまでも消費しきれない謎さ。そして、あの…絶妙な「雑さ」と「丁寧さ」…!ただのB級やメジャー作品とは言えない。
▼映画を何度も見る心理についてまとめた記事は、こちら。
魅力②心の底からくだらない!清々しい気持ちになれる
カルト映画には「とりあえず知性は置いておこ!」「感覚と直感だけでOK!」というノリの作品も多く、心の底からくだらなくて清々しい気持ちになれます。
例えば、不朽の駄作とも称されるカルト映画「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」(1995年)は、巨大化したトマトと戦う作品ですが、そもそも「巨大化したトマト」の時点でくだらなさが確定です。
見終わった後に「時間を返して!」というB級も多いものの、カルト映画は「あー、清々しい(という気持ちになれる程にくだらなかった)」とスッキリした気分を味わえます。
ちなみに、「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」はその後「リターン・オブ・ザ・キラートマト」「キラートマト/決戦は金曜日」「キラートマト 赤いトマトソースの伝説」と続編が出ました。
信じられるか、こいつアニメ化やゲーム化も展開してるんだぜ…?
魅力③熱狂注意?十人十色の楽しみ方がある
カルト映画は一部のファンやマニアによって想像を超える熱量で支持されており、十人十色の楽しみ方があるのが魅力です。
映画鑑賞に留まらず、グッズ収集・コスプレ・2次創作・ファンイベントなど楽しみ方はさまざま。そして、長期的に愛されているのも特徴です。
例えば、最も有名なカルト映画に「スター・ウォーズ」がしばしば挙げられますが、世界的にも熱烈なオタクが多いことでも知られています。
9万点以上のグッズをコレクションしたことでギネス認定を受けた人がいたり、カルトクイズのイベント「クイザード」でテーマとして扱われたりするなど、楽しみ方も規模も世界レベルです。
まさに「人生をかけて」カルト映画を楽しんでいる方もいるでしょう。
スターウォーズマニアはレベルも熱量も半端じゃない。軽々しく「スターウォーズ好きです」とは言えない私。
参考元:PR TIMES|コミコンでも人気プログラム、カルトクイズ世界大会日本の ”OTAKU” が世界の「スター・ウォーズ」ファンの頂点を制覇!
ギネス世界記録|フォースの覚醒、公開記念!スターウォーズの記録を一挙紹介!!
カルト映画のおすすめ作品
カルト映画のおすすめ作品は、以下の通りです。
年 | 作品名 | 監督名 |
---|---|---|
1965年 | 死霊の盆踊り | エド・ウッド |
1970年 | エル・トポ | アレハンドロ・ホドロフスキー |
1971年 | 時計じかけのオレンジ | スタンリー・キューブリック |
1972年 | ピンク・フラミンゴ | ジョン・ウォーターズ |
1974年 | 悪魔のいけにえ | トビー・フーパー |
1974年 | ファントム・オブ・パラダイス | ブライアン・デ・パルマ |
1975年 | ロッキー・ホラー・ショー | ジム・シャーマン |
1975年 | デス・レース2000年 | ポール・バーテル |
1977年 | イレイザーヘッド | デイヴィッド・リンチ |
1978年 | アタック・オブ・ザ・キラー・トマト | ジョン・デ・ベロ |
1982年 | ブレードランナー | リドリー・スコット |
1987年 | 死霊のはらわたII | サム・ライミ |
1994年 | パルプ・フィクション | クエンティン・タランティーノ |
1999年 | ファイト・クラブ | デヴィッド・フィンチャー |
2000年 | メメント | クリストファー・ノーラン |
リドリー・スコットやクリストファー・ノーラン、デヴィッド・フィンチャーなど、有名監督がカルト映画を撮っていることが分かります。
ある意味でカルト映画には監督のこだわりや美学が凝縮され過ぎているために、エキセントリックになって万人受けしないともいえるでしょう。
さまざまな作品や人に影響を与えた作品が多く、例えば押井守監督の「攻殻機動隊」を見ると、世界観はほぼブレードランナーです。
その後の神山健治が監督した「攻殻機動隊 笑い男」編では、オマージュされたシーンもありました。
映画好きがカルトムービーを見ると、好きな作品に影響を与えたオマージュ元を知れるメリットもあります。
▼古い名作映画についてまとめた記事は、こちら。
1度は見ておくべき伝説的な作品
カルト映画にはさまざまな作品がありますが、1度は見ておくべき伝説的な作品として紹介されるのは1975年の「ロッキー・ホラー・ショー」です。
この作品以降、「カルト映画」という概念が普及していった見方もあり、2000年以後もリバイバル上映が行われているほどです。
また、「カルト映画といえば…」という話題になると、以下の作品は必ずと言っていいレベルで名前が挙がります。
ただし、カルト映画の作品は一部に熱狂的なファンがいるものの、広く需要がある訳ではないため、動画配信やレンタルビデオ屋で見つかりにくいのがネックです。
個人的には、マニアックな映画を借りるならTSUTAYAディスカスが1番使いやすいと思います。「カルト映画を見る!」と決めた一定期間に加入するのもおすすめです。
レンタルビデオ屋がなくなるのも悲しい…。
▼レンタルビデオについてまとめた他の記事は、こちら。
カルト映画の有名監督
カルト映画の監督として有名なのは「イレイザーヘッド(1977年)」を撮ったデイヴィッド・リンチで、「カルトの帝王」とも呼ばれています。
イレイザーヘッドはリンチが5年がかりで1人で製作しており、監督以外にも脚本・編集・美術なども担当。また、リンチの長篇映画デビュー作品となります。
「意味が分からな過ぎて最高」「独特な狂気の世界観が堪らない」と今まなおファンをつくり続けている作品です。
イレイザーヘッド以外にも難解でオリジナリティあふれる作品が多く、「マルホランド・ドライブ(2001年)」もカルト映画とされています。
デイヴィッド・リンチのその他の監督作品は、以下の通りです。
「ブルーベルベット(1986年)」や「ツイン・ピークス(1990〜1991年)」が有名で、「ツイン・ピークス」では本人も出演しています。
▼ツイン・ピークスの吹き替え声優についても紹介した記事は、こちら。
まとめ
「カルト映画」とは、一部のマニアや愛好家から熱狂的な支持を受ける映画のことを指します。
主にマイナー作品を意味しますが、一部のファンが倒錯的に支持している場合にはメジャーな作品も含まれるのが特徴です。
カルト映画の作品例には、「ロッキー・ホラー・ショー」「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」「イレイザーヘッド」などがあります。
また、カルト映画の監督として有名なのは、「イレイザーヘッド」を撮ったデイヴィッド・リンチです。
なかなか配信に作品がない場合もあるので、ラインナップ豊富な宅配レンタルを利用するのもおすすめ。
今回の記事を、映画ライフを楽しむ参考にしてください。
コメント