「本を再読する意味ってあるの?」「効果を知ってから再読したい」と考える方も多いでしょう。

せっかく再読するなら、効果を実感したい。
結論、再読には内容・知識が定着したり、新しい見方ができたりする効果があります。
なんとなく読み始めるよりも、効果を事前に把握してから再読したほうが、充実した読書の時間を過ごせます。
そこで今回は、本を再読する効果とメリットについて解説します。何度も読みたい作品も紹介するので、参考にしてくだdさい。
- 本を再読する場合、「物語の内容や知識が定着する」「新しい見方ができる」などの効果があると考えられます。
- 本を再読するメリットとして、「面白いことが約束されている」「作家の別作品を読むきっかけになる」などを紹介します。
- 何度も再読したい作品として、国語の教科書で扱われる作品をお伝えするので、チェックしましょう。
本を再読する効果

再読
過去に読んだ本をもう1度読み直すこと
本を再読すると、以下のような効果を期待できます。
- 物語の内容や知識が定着する
- 新しい見方ができる
- 深い視点で動機付けができる
1つでも魅力的だと感じたら、再読に取り組んでみましょう。
物語の内容や知識が定着する
再読する効果1つ目は、「物語の内容や知識が定着する」ところ。人間は時間が経つと物語の登場人物や内容、知識を忘れてしまうため、再読することで定着を図れます。
反復しない場合、以下のようなスピードで覚えた事柄を忘れていくとされています。
- 1時間で56%を忘れる
- 1日間で74%を忘れる
- 1週間で77%を忘れる
- 1ヶ月で79%を忘れる
最終的に長期記憶に残るのは20%程度とされているので、よほど印象に残っていない限りは、読んだ内容をほとんど覚えていないといえます。

友人と同じ本を読んでいても、タイミングが異なると「あれ?そんな展開だっけ?」と思うこともしばしば。
再読によって、忘れていた細かな展開や人物関係などの内容を思い出せるでしょう。
新しい見方ができる
再読する効果2つ目は、「新しい見方ができる」点。再読するタイミングにもよりますが、読み手の環境が変化したり、人生経験を積んでいたりするため、読破した当時とは違った新しい見方ができます。
特に数年や数十年経ってから読み直すと、自身の変化が顕著なので、見方が変わっているのに実感しやすいもの。
個人的に実感したのは、大学生活を描いた伊坂幸太郎の「砂漠」でした。高校生のときに初めて読んだときは「(面白いものの)ふーん」という感じでしたが、社会人になってから読むと「何てこと!共感が過ぎる!」とかなり見方が変わりました。

「学生諸君、大学生活を大切にするのだよ…」と謎の年上目線にもなるという。
「再読」と聞くと新鮮さがないようなイメージもありますが、時間が経てば経つほど、新たな気持ちで読めるでしょう。
深い視点で動機付けができる
再読する効果3つ目は、「深い視点で動機付けができる」ところ。結末を知っているため、登場人物が「何故このセリフを言うか?」「この行動を起こすか?」という動機付けを深い視点から行えます。
初めて読む本は「あの場面のあのセリフがあった気がする」と比較的曖昧な振り返りしかできません。一方で、再読の場合には「このセリフがあの行動に繋がるのか」と納得感を強く持てます。
先日、夏目漱石の「こころ」を再読した際に、特にKの死んだ理由について初めて読んだときよりも動機付けが深くなったことを実感。
当初は「恋に敗れたからか?」と単純に思っていましたが、Kの個性・出自や先生との関係性を踏まえて、だいぶ考え方が変わりました。

10年前のままの認識だったら、超絶に浅かった…あんなに良い作品なのに。
再読した効果を感じる本が1冊でもできれば、定期的に再読する習慣を身につけられるでしょう。
【関連記事】読書がつまらない原因とは?面白くない本でも読むべき?対処法や楽しむコツを解説
【関連記事】読書ができなくなった場合の対処法7選!無理なく本を読む習慣を復活
\\夏目漱石の「こころ」が気になる方は、こちらをチェック!//
本を再読するメリット

本を再読するメリットは、以下のとおりです。
- 比較的短時間で1冊読める
- 面白いことが約束されている
- 作家の別作品を読むきっかけになる
「再読する前にメリット知りたい」「改めてメリットを確認したい」という方は、ぜひ参考してください。
比較的短時間で1冊読める
本を再読するメリット1つ目は、「比較的短時間で1冊読める」ところ。1回読んでいる作品は大まかな物語や作風を理解しているため、比較的短い時間で読めるのがメリットです。
最初はキャラクターや設定を思い出すのに時間を必要とする場合もありますが、ある程度読めばスイスイと進められるでしょう。
また、久しぶりに読書をしたり、箸休め的な作品を探したりする際にも役立ちます。

読破している経験があると「読み切れるかな?」という不安がないのも魅力。
「時間はないけど、何か読みたい」といった場合にも、再読が向いているといえます。
面白いことが約束されている
本を再読するメリット2つ目は、「面白いことが約束されている」点。未読の作品は面白いかどうか判断するのは難しいですが、再読であれば面白いことが約束されているので安心して読めます。
また、時間が経過しており、「面白いのは覚えているけど内容は思い出せない」という場合には読みどきです。

本棚を漁ったら、意外と「こんな作品あったな」という発見があるかも。
「つまらない作品が続いている…」「本選びが迷走している」と感じる際にも、原点回帰という意味で再読してみるのがおすすめです。
メリット③作家の別作品を読むきっかけになる
本を再読するメリット3つ目は、「作家の別作品を読むきっかけになる」ところ。面白いと分かっていても1冊で止まっている作家がいる際には、再読をきっかけに違う作品を読む場合もあるでしょう。
「好きな作家を見つけたい」「作家にこだわりがなくて多読になっているのが気になる」という方にも役立ちます。

再読終了後に、文庫の巻末に付属している作家の作品欄から広がりをみせることもしばしば。
また、作品の中で引用されている別作品や、資料にした作品リストから新しい本を見つけるケースもあります。
【関連記事】読書のメリット5選を徹底解説!意外と忘れやすいデメリットや読書量についても紹介
【関連記事】読書するおすすめの場所はどこ?自宅とその他で徹底検証!カフェは集中できる?
何度も再読したい作品【教科書で扱われる名作】

何度も再読したい作品として、国語の教科書で扱われる以下の作品を紹介します。
- 森鴎外「高瀬舟」
- 夏目漱石「こころ」
- 太宰治「走れメロス」
- 芥川龍之介「羅生門」
- 中島敦「山月記」
- 宮沢賢治「注文の多い料理店」
- 志賀直也「城の崎にて」 など
一度教科書で読んでいる名作も、再読することで違った見方ができ、新たな発見につながります。
また、歴代の芥川賞・直木賞受賞作品など、文学賞を受賞した作品を読む方法もあります。

教科書で扱われた作品・作家を今一度振り返ると意外と深い…!
【関連記事】純文学の作家&有名作品一覧【一度は読んでおきたい近代文学】美しい文章の例や選び方も紹介
【関連記事】純文学初心者向けに読みやすい古典作品【厳選】選び方から楽しみ方まで徹底解説
本を再読する効果に関するQ&A

最後に、本の再読の効果に関するよくある質問を解説するので、疑問を解消しましょう。
読書は朝と夜のどっちがいい?
読書が朝と夜のどっちがいいかは、目的によって異なります。
たとえば、朝は脳が活性化して情報を吸収しやすいので、勉強や仕事に関する読書が最適です。また、寝る前の読書はリラックス効果が期待できるため、ストレス軽減したい方に向いています。
読書のメンタルへの効果は?
個人差があるものの、読書はストレス軽減や集中力の向上などの効果が見込めます。
読書にストレス軽減が期待できるのは、読書に夢中になることで日常のストレスから解き放たれるからです。
まとめ

本を再読する効果・メリットを、おさらいしましょう。
- 物語の内容や知識が定着する
- 新しい見方ができる
- 深い視点で動機付けができる
- 比較的短時間で1冊読める
- 面白いことが約束されている
- 作家の別作品を読むきっかけになる
効果やメリットを把握しておけば、さらに充実した読書時間を過ごせるでしょう。また、何度も再読したい作品として国語の教科書で扱われる作品を紹介しました。
今回の記事を、読書ライフを楽しむ参考にしてください。
コメント